桜廻る




「俺にだって、まだできる事はあるはずです」


「うん、そうだなぁ……」





榎本は何かいい方法を考えるように、宙を見つめた。


そして。





「じゃあ、私から君へ、最後の命令をする」


「……?」





疑問に思う土方に、榎本は優しく笑った。





「──生きなさい」


「……!」





土方は思わず息をのんだ。




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