桜廻る


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「髪……伸びたな」





土方はそう言って、笑った。


……あれから数ヶ月が経った。


土方も動けるまでに回復し……二人は江戸に来ていた。


雅の髪もまた、二人が会った時と同じくらいの長さに伸びていた。


──現代での出来事が、遠い昔のように思える。





「あ、ほんとだ……」





雅も嬉しそうに笑って、長くなった自分の髪を触った。


そして、ある建物の前に、二人は立ち止まる。





「ここは……?」





そう土方に問いかけると、嬉しそうに笑った。




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