桜廻る




「俺の家だ」





土方はそう言うと、中に入っていく。


その後ろを、雅も慌てて追い掛けた。


すると……あるものが、雅の視界に飛び込んでくる。





「竹……」


「この時代に戻ってきたとき、懐に入ってたんだ。……だから、それを植えた」





土方は、長くなった竹を触った。


嬉しくて、雅も微笑む。


空に向かって伸びている竹は、土方みたいだった。



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