桜廻る




「ははは。時代が違っても、お前はお父さんの娘だから。……自慢の、一人娘だから」


「お母さんも言ってたよ、それ」


「……そうかそうか」





父は笑いながら、時猫が出した輪をくぐろうとした。


そして、最後に雅の方を向く。


母と同じ……やはり、笑顔だった。





「雅、幸せになりなさい。……おめでとう」


「えっ?」





(おめでとう?……何が?)





きょとんとするが、そんな事を考えている場合ではない。




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