桜廻る



そして、現在。


時代は明治に移り、俺と雅は夫婦(めおと)になり……幸せな日々を送っていた。





「土方さーん?たくあんおにぎり食べます?」





なんて、雅の明るい声が家の中に響く。


今までは試練がたくさんあったが、俺らはそれを全て乗り越えた。


だから、これからの山も越えられる。


雅と一緒なら。





「あぁ。……俺も手伝う」


「ありがとうございます、土方さん」


「……ずっと思ってたんだが、お前も“土方”だろ?」





そう言うと、雅の手が止まる。



< 415 / 419 >

この作品をシェア

pagetop