桜廻る
そして、現在。
時代は明治に移り、俺と雅は夫婦(めおと)になり……幸せな日々を送っていた。
「土方さーん?たくあんおにぎり食べます?」
なんて、雅の明るい声が家の中に響く。
今までは試練がたくさんあったが、俺らはそれを全て乗り越えた。
だから、これからの山も越えられる。
雅と一緒なら。
「あぁ。……俺も手伝う」
「ありがとうございます、土方さん」
「……ずっと思ってたんだが、お前も“土方”だろ?」
そう言うと、雅の手が止まる。