桜廻る




「そうですけど……?」


「名前だ名前」


「えっ?」


「名前で呼べ」





そう言った途端、雅の手からおにぎりがころりと滑り落ちた。


雅はすみませんと言いながら、そのおにぎりを床から拾う。


……面白いな。





「な、名前、ですか?」


「あぁ」


「いつも通りじゃ、駄目ですか?土方さん」


「……」


「あ、あの……土方さん?」




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