桜廻る
「……」
吹き出しそうになるが、そこはぐっと堪える。
「と、とと……歳三さん?」
やっと雅が名前で呼んでくれた事が嬉しくて、俺は笑顔になった。
「それでいい」
「でも、慣れないですよ……」
赤い顔を隠すようにしながら、雅はおにぎり作りを再開した。
そんな所にも笑いながら、俺はぎゅっとおにぎりを握る。
「なぁ、雅?」
「はい?」
「……いや何でもねぇ」
恥ずかしくてやっぱり言えない。
メニュー