桜廻る
「……分かんねぇけど、お前は昨日からほっとけないんだ」
その結び目の上に、さらに一つ、結び目を作る。
「お前の身に何が起こってるか、俺もまだ知らないし、無理に言わなくてもいい。だが、自分の体は、大事にしろよ……」
土方は、そっと手を放す。
暗い部屋の中に流れる長い沈黙。
じわりと、雅の目からまた涙が出てくる。
「私に生きる意味なんて、ないんです」
目をこすりながら、静かに話し出した。
「私は……生きてちゃいけないんです……」