桜廻る
六、竹とひまわり
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目が覚め、鏡を見る。
泣きすぎて目は真っ赤になっていた。
また涙が出そうになるのを堪え、雅は台所へと向かった。
昨日と同じように、土方が朝餉を作っている。
「土方さん、おはようございます」
「……あぁ」
短い返事をした土方のそばに向かう。
黙々と何かを作っている土方。
「私も、作ります」
「……あぁ」
昨日の事もあって、何だか気まずい。
その時だった。
「雅」
土方が、包丁で野菜を切りながら、不意に話しかける。