桜廻る
《じゃあ、始めるよ。
好きな柄を3つ選んでね。
時間制限があるから注意してね!》
(えぇっ)
雅は焦って、柄を選び始めた。
隣では、土方がまだかまだかとそわそわしている。
そんな土方の側で、ピッピッと3つ選んだ。
そして。
「は、始まるみたいですよ、土方さん!」
「お…おう」
土方は緊張した面持ちで、雅の隣に並んだ。
《3、2、1……》
──カシャッ!
「何だ今のは…⁉」
いきなりのシャッター音と突然のライトに、土方はきょろきょろと目を動かした。