桜廻る
七、突然の電話
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ジューッと、鮭をフライパンに乗せて焼いていく。
だんだん、美味しそうな匂いが、部屋の中に充満していった。
鮭をひっくり返す雅の隣で、一生懸命、味噌汁を作っている土方。
使い方はもう大分覚えたみたいだ。
豆腐とわかめが浮かんでいく。
「美味しそう……」
思わず、そんな言葉が雅の口から漏れた。
盛り付けた鮭の隣には、黄色いたくあん。
そして、湯気が立った味噌汁に、炊きたてほかほかのご飯。
まさに、江戸時代でも食べられていたような料理が、食卓に並んだ。