桜廻る
「だから、その時、どうしましょう……?」
「……」
必死に、頭を働かせる。
雅の頭には、二つの方法が浮かんでいた。
まず一つ目は、父親がここへ来るのをやめさせる事。
もう一つは、思い切って土方の事を言ってしまう事。
しかし……。
「だったらそれまでに、時空移動の方法を考える」
(──え?)
一瞬、頭の中が真っ白になった。
「お前もそんな大事にはさせたくないだろう。いつまでも、ここにいるわけにはいかない。
……だから」
俺はさっさと、この時代を去るべきだ──。
そう、土方の目が言っているように、雅は感じた。
雅は無意識に、土方が着ている着物の袖を、きゅ、と掴む。