桜廻る
第二幕
一、最後まで走れ
夏の学校行事といえば、体育祭だ。
雅の学校でも、その準備は着々と進んでいた。
がやがやと、教室内は騒がしい。
……すると。
「桜川、あんたリレーと障害物競争出て」
「……え?」
スタスタと雅の机の前に歩み寄ってきた杏奈が、そう言ってきたのだ。
いきなり来られて、また何か酷い事を言われると思ってたから、雅は驚いていた。
「うん、分かった……」
「言っとくけど、リレーは軍対抗戦だから」
一瞬、雅には時が止まったように感じた。