桜廻る
二、新たな生活の始まり
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キーンコーンカーンコーン…
「さよーならー」
帰りの挨拶をして、
雅は鞄を持つと席を立った。
無言で下を向き、歩いて行く。
そして、教室から一歩出ようとした、その時だった。
「桜川さーん」
「…!」
その甘ったるい声に、
ビクッとして立ち止まる。
「あのさ、私の宿題代わりにやってきて」
「……」
「…ちょっと。聞いてる?」
「あ……。はいっ…」
雅がそう返事をした途端、相手はぱっと意地悪な笑顔になった。