王に愛された女



「うおっ!?」

 フィオーレの全身を包み込んだ炎がフィオーレに囁く。

『何故オマエはここに来た?力を求めてか…?力を欲する飢えた愚か者め…』

 炎の言葉にフィオーレは唾を呑みこんだ。

「違う。俺は力がほしいんじゃない」

 ゆっくり言うと、炎はボウッと音を立てる。

 フィオーレは少し驚きはしたが、ここに来た目的を告げた。

「俺は、神の資格を持つ妹と同等になりたい…」

 フィオーレは炎の反応を確かめる。

 炎は何も言わない。

「…『家族』だから、上にも下にもなりたくないんだ。同じ立場でいたいんだ」

 
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