王に愛された女
『そんなのエゴじゃないのか…?』
「他のヤツが見たらエゴかもしれないけど…。アイツは、俺にとっては唯一の肉親だから。俺だけ置いていかれるなんてまっぴらごめんだ」
炎が高らかに笑った。
『いいだろう。オマエの覚悟、確かに聞いたぞ。気に入った!この俺と勝負しろ』
フィオーレは驚いた。
「勝負?」
『そうだ。もしもだ、もしも仮にオマエが俺に勝てたならこの剣はオマエのものだ』
フィオーレは剣の柄をグッと握りしめた。
……
………
…………
◇◆◇◆
フィオーレは剣を見た。
「…ガブリエル…」