王に愛された女
「…早くないか…?」
フィオーレは唖然として掲示板を見つめた。
フィオーレとしては、二人が上手くいくことを望んではいたものの、さすがに早すぎると思った。
ふと掲示板から目を離し、振り向いたフィオーレはハッとした。
川のほとりを歩く白髪の男に目が吸い寄せられた。
「まさか…!」
白いコートを羽織った男には見覚えがある。
「ねぇ、おじい様?ホントに体の具合は大丈夫なんですの?」
男と歩く赤毛の少女が甲高い声で男に尋ねた。
「大丈夫だよ、メラ」
「だから、私はメラじゃなくてメランコリーよ」
「あぁ、すまない」
体の芯から震え出した。
なんでアイツがここにいる!?