王に愛された女




 ガブリエルは金髪を触られ、ビクッと震えた。

「…あの…っ」

「あ、痛かった…ですか?」

 ガブリエルは後ろを向いた。

 後ろにはガブリエルの世話係となった女人アリシアがいる。

「あの…アリシアさんが世話係になったのは…なんでなんですか?」

 ガブリエルはそっと聞いた。

 今日は婚姻ノ式で、アリシアがガブリエルの世話係になったのは先週のことだった。

「…アンタを、認めた…んです。王様の妻になることを…ちゃんと認めたんです」

 敬語に鳴れていないアリシアが呟く。

「…私を…?」

「それと、私はあなたの世話係なんだから、……アリシアって呼んでください」

 ガブリエルはギクシャク頷いた。

「……う、うん…」

「敬語使うくせは治ったんですね。それと、ちゃんと前向いてください。じゃないと髪が結べないですから」

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