王に愛された女
「うん…」
「そんな暗い顔しないでください。夫婦そろって同じ力を持っているなんてすごいじゃないですか」
アリシアに言われ、ガブリエルは「そうだね…」と呟いた。
「さ、できましたよ」
アリシアの言葉にガブリエルは鏡を見た。
「…」
鏡の中の自分の姿に、ガブリエルは驚いた。
少し前、奴隷として売られたとは思えない綺麗な服装の自分が鏡に映っている。幻なんじゃないかとガブリエルは疑ってみたりした。
「行きましょう、王妃様」