王に愛された女
「ぼーっとして、大丈夫?」
ガブリエルの大きな青い目がオラシオンを見つめていた。
「あぁ、大丈夫だ」
オラシオンは頷いて上体を起こす。
ガブリエルがぷいっとそっぽを向いた。
「こっち向いてよガブリエル」
オラシオンはガブリエルの華奢な肩を掴む。
「…でも…」
「俺は、オマエのことを愛してる。今までもこれからも、愛してるのはオマエだけだ」
オラシオンの言葉に、ガブリエルが微かに動いた。
「…オラシオン…」
「愛してる」
オラシオンはガブリエルを後ろから抱き寄せる。彼女の肌の感触に、心が落ちついた。
今まで遊び道具としか思っていなかった女に、ここまで体も心も求めてしまうなど、オラシオンは未だに不思議でならない。
「…ガブリエル、もう一回…抱いていいか…?」