王に愛された女



 欲しくてたまらないから抱きたくて衝動を押さえられない。

 ガブリエルが微かに頷く。

 オラシオンはガブリエルの顎を掴んだ。

「…ガブリエル」

 オラシオンの言葉にガブリエルの頬が赤くなっていく。

 行動ひとつで顔を真っ赤にするガブリエルの初めて感あふれる姿にオラシオンは逆に心を奪われている。

 唇を重ねた。

「…オラシオン…っ」

 ガブリエルが微かに声を漏らす。

 キスの時の呼吸のタイミングも、抱き方も初々しさばかりのガブリエルの髪にオラシオンは指を絡めた。

「ずっとずっと、傍にいような」

 オラシオンはガブリエルに囁いた。

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