王に愛された女
◇◆◇◆
「…ガブリエル」
オラシオンの不安そうな声にガブリエルは回想から現実に引き戻される。
「神の証を、確かめてみよう」
ガブリエルはオラシオンの瞳を見据えた。
断固たる決意を秘めた瞳に、首をふれない。
オラシオンの決意に、ガブリエルは断れなかった。
「…わかった」
ガブリエルが答えると同時にオラシオンの手がガブリエルの包帯に触れる。
ゆっくりと包帯が外されて行った。
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