王に愛された女



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 王宮に帰ると、ガブリエルが入り口前に立っていた。

 彼女はオラシオンの姿を認めるなり、駆け寄ってくる。

「お帰りなさい!!」

「ただいま」

 抱き着いてきたガブリエルの頭をゆっくり撫でた。

 同時に、脳裏に忘れかけていた記憶がよみがえる。

 金色の髪を青い目を持つ女。夢の中であっただけでどんな姿かはわからない女。

 まさに、ガブリエルを生き写しにしたような女だったが、彼女がいたのはこの世とは思えない美しい空間だった。

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