王に愛された女
その言葉に、ルークの中で推測が確信へと変わった。
間違いないぞ、とルークは思った。
ニヤリと笑いたい衝動を必死で抑える。
「…それは、つまり…どういう…?」
あくまでも自分は一介の重臣だ。
今思っていることを口にして、怪しまれるわけにはいかない。
ルークは、あえて知らないふりを装った。
「珍しいな。賢いオマエがわからないなんて」
演技が逆に裏目に出たか、国王が訝しげな顔をする。
「…今日は少し、頭が痛いもので…」
ルークは額に手をやり、苦笑を浮かべた。
「いくら頭が良くても体調を崩せば本領は発揮できないわけだな」
国王がいたずらっ子のようにニヤリと笑う。
ルークは頷いた。
「そういうことですよ」