王に愛された女





「オラシオン…」

 ガブリエルはオラシオンを見た。

「ん?」

「好きだよ」

 ガブリエルは言いながらも顔が熱くなるのを感じる。

「…ガブリエル…」

「好き。…だから、ずっと傍にいて?離れないで?」

 オラシオンがしっかりと頷く。

「言われなくたって、最初からそのつもりだ」

 夫婦樹の枝がひときわ大きく揺れた。

 舞い落ちる葉が太陽の光を浴びて一瞬だけ眩しく輝いて見えた。





END





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