王に愛された女
「王様、しばらく女遊びに手を出していませんね。何か悪いものでも召し上がりましたか?」
チェスの途中でルークが言った。
オラシオンは、ルークの言葉に苛立ちを覚えた。
「そうではない。単に好みの女がいないだけだ」
「あれ?でも、ホッカ村から仕入れてきた貢ぎ物のアリシアは気に入っていたような…?」
ルークがクイーンの駒を動かす。
「…確かにそうかもしれないが。どの女もどうせ俺の体しか欲しがらない。話など聞いてくれない」
オラシオンはまだ動かしていなかったルークを動かしてルークのクイーンを取った。
「そもそも王様が体目当てなんじゃないですか」
「女は所詮遊び道具に過ぎない」