王に愛された女
王が目を見開く。
ルークがニヤリと笑うのが見えた。
「…どうです?気に入りました?」
ルークが聞く。王はそっぽを向き、
「普通だな」
と答えた。
「素直じゃないですね、王様」
ルークが言うと、王は鼻を鳴らした。
「俺は素直だ」
「…それはどうもすみませんね、王様」
皮肉っぽく言ったルークがガブリエルの背中を押す。
「きゃっ」
ガブリエルは王に抱き着く形になった。
「…大丈夫か」
王の低い声にガブリエルは震えながら頷いた。