3組のかいくんと7組のゆいちゃん
体育館の床を弾くボールの音は私の心音を消してくれる。


だからこんなに彼が近くに来ても気づかれるはずがない。


「ごめん。ありがとう」


ボールがこっちに飛んで来た。


拾ったのはゆいちゃん。


ふと男の子たちを見るとみんなわざとこっちに飛ばしたみたいでボールを拾って戻って行ったかいくんはからかわれてた。


「ねえ。咲紀あの子さっき私のところにわざとボール飛ばして来たのかな?」


その言葉にいち早く反応したのは風香。そんなことはおかまいなしと佑衣ちゃんは言葉を続けた。
< 40 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop