3組のかいくんと7組のゆいちゃん
「あ、あの・・・」


真っ赤な顔してこっちを向いたかいくん。


その姿が可愛くて私は口元が緩んだ。


「俺、海崎 広翔って言います。名前を聞いてもいいかな?」


「唯野 咲紀子です。唯野は唯って漢字に野原の野です。下駄箱の名前は野が消えちゃって」


まさか私がかいくんの好きなゆいちゃんだったなんて思いもしてなかった。


かいくんの震える手が私の手をそっと握る。聞こえてきたのは彼の優しい声。


「・・・好きです。付き合ってください」





私はかいくんの彼女になった。
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