ブラックⅠ-出会い-
「来い」
後ろを振り返れば、BARの扉の横にある階段に座っている金髪の男。
男は重たい腰をゆっくりと持ち上げると、鉄製の階段をカンカンと軽快な音を立てて登って行く。
私は言われたとうりゆっくりとその階段へと近付くと、一段目へと足をかけた。
ここを登れば、きっと何か変わると信じて。
楽園なんか無くて良いから、幸せになんてならなくていいから、
ただただ一つの願いを想って
階段を登った。