ブラックⅠ-出会い-
「おい、帰るぞ」
ブラストの倉庫に来るようになって二週間、
「うん今行くー!」
私を呼ぶレイジの声を背にしゃがんでいた腰を持ち上げると
「じゃあ、こうちゃんばいばーい!」
すっかりこの環境にもなれて仲良しな友達もたくさん出来た。
「おお!また明日」
楽しそうに仲間たちとバイクをいじるこうちゃんはここに来て初めての友達で、私の一つ上、つまりレイジ達と同い年。
こうちゃんや皆のバイバイに大きく手を振るとすでに車へと足を進めているレイジを急いで追いかけた。
最近の帰りはレイジのバイクよりも車で帰る事が多くなった。
学校が終わってブラストに来るまではバイクで、ブラストから家までは車で帰る。レイジが一緒に帰る時はバイクで二人で帰るのだけれど、基本私を車で送った後レイジはまたブラストの倉庫に戻っていく。
いつも一緒に帰ればいいのにと思うけど、レイジは私を夜まではブラストにいさせない。必ず夕方には家に着いているようにする。
それが何故なのかは分からないけど、レイジは総長だから遅くまで倉庫に残っているって事を聞いた