ブラックⅠ-出会い-
「レイジ、アオイちゃん大丈夫か!」
ブラストの倉庫に着いてすぐカエデとイツキを先頭にチームの皆が集まってきて、心配そうに顔を歪ませている。
「あぁ、すぐに新しい車を用意しろ。アオイを送ってくる」
車から降りた私の肩を再びレイジが引き寄せ、心配そうに私を見つめた。
「おい、あれリュウガさんの車じゃないか?」
車を降りて本当すぐ、チームの誰かの声が聞こえてきて
リュウガ?なんでリュウガ?
その誰かの言葉にいち早く反応したのはレイジ。
私の肩を抱いていた手を離し後ろへと振り替えるその動作はあまりに早くて
私がレイジに合わせて振り返った頃にはすでに車が停止した後で、隣のレイジは大きく舌打ちを鳴らしていた。
黒塗りのクラウン。見たこともないほどピカピカかしたボディー。
後ろの窓は全てフルスモークで何だか異様な雰囲気を醸し出している。