ブラックⅠ-出会い-



けれどそこから降りてきた人物もまた、黒塗りのクラウンに似合いすぎるほどの雰囲気を醸し出し、ストライプスーツを上品に着こなしているリュウガさんが姿を現した。




「何で来たんだよ」



リュウガをまるで狂犬が今にも噛み付きそうな勢いで睨み付けるレイジ。




「お前の車は目立つ、情報なんか直ぐに入ってくる」



「だからって来るんじゃねぇよ、元トップだからって出張ってくんな」



元トップ?リュウガが?
つまりブラストの元総長ってこと?




「別にお前らに口出ししに来たわけじゃない」



「あ?」



コツコツと音を鳴らしながら歩みを進めるリュウガは、私とレイジの前で立ち止まると




「アオイを迎えに来ただけだ」




レイジの隣にいる私の腕をグイッと引っ張り、その反動でリュウガの胸へと思い切り倒れ込む。



< 124 / 376 >

この作品をシェア

pagetop