ブラックⅠ-出会い-
あのレイジが乗っていた車はどうするんだろう。多分高級車、いや間違いなく高級車。
レイジのってわけじゃないみたいだけど、ブラストが所有しているみたいだし。
「アオイちゃん、怪我なかった?」
そんな声が運転席から聞こえてきて、そちらへ目を向けるとバックミラー越しにアキさんと目があった。
「あ、全然大丈夫です」
レイジが直ぐ私を抱え込んでくれたおかげで傷一つない。
あの反射神経はきっと人並みを超えているに違いないと思う。
「そっか、良かった」
ミラー越しに目を細めるアキさんは今日もまるで王子様のようだ。