ブラックⅠ-出会い-
私には二人が何の話をしているのかさっぱりで、
「どうせなら俺のモノだといっそバレた方が都合がいい」
「俺は知らないからな。ついでに言っとくけど、きっとレイジは相当怒るだろうな」
「あぁ」
何がなんだか分からないままただアキさんとリュウガの話を聞いていて、
「お前は覚悟出来てるか」
「え?」
「俺の為に生きる覚悟だ」
リュウガとした約束を思い出す。
「俺の為に生きると誓え」
もちろん忘れたわけじゃない。
そして約束を破るつもりだって毛頭ない。
「うん」
その私の返事に、満足そうに口角を上げたリュウガは静かに喉を鳴らした。