ブラックⅠ-出会い-



「あら、この可愛いお客様は?」




しばらくして戻ってきたリュウガの横には今だに手を絡ましたミクさん。



そしてちっともそんな事思ってないだろう顔付きで聞いてくる。

アキさんの隣に立つ私にはただそれを無言でみつめるしか出来なくて


「アキ君のお友達?」



「いや、俺の連れだ」



「リュウガの?」



「あぁ」



「まさかあなたの女なんて言わないわよね」



そう言ったミクさんの顔は私をほんの一瞬、分かるか分からないくらい一瞬だけ私を睨みつける。



その時思った。
彼女はリュウガのことが好きなのだと。
友達としてとか憧れとかそんなものじゃなく、本気でリュウガが好きなのだと。



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