ブラックⅠ-出会い-
じゃあどうしろっていうの?
そもそも私に用があって電話してきたんじゃないの?
そんな私の思いも惜しく電話は勝手に切られ、携帯の向こう側からはプープーという電話が切れた音。
え、なんなの…
レイジ、怖いんだけど!!!
レイジが怒ったら怖いに違いない、だってさっきだって倉庫で怒鳴り散らしてたし、何か蹴っ飛ばしてたし、
私の事を蹴っ飛ばすとは思ってないけど、あんな鋭い瞳で見つめららたらきっと失神する…
ただ切れた後の携帯を見つめることしか出来ない私に
「レイジなんだって?」
アキさんの声、いつでも優しいアキさんのそんな声。
「明日覚えとけって…」
「ほらみろリュウガ、あいつ相当怒ってるぞ」
アキさんはどこか楽しそうにククッと喉をならして
「何だかこれから楽しくなりそうだ」
独り言のようにそう呟いた。