ブラックⅠ-出会い-
しばらく見つめあってたと思う。
私なんか唐揚げを口に頬張ったままモグモグとアホズラで。
でもリュウガは綺麗だった。
何をしていても。
ご飯を食べてても、タバコを吸ってても、こうして座っているだけで綺麗だ。
もしかしたら私のアホズラを見て楽しんでたり?本当こいつアホズラだなーとか思われてたり?
「風呂入ってくる」
「え…あ、うん」
私の後ろを通るとき、ポンポンと二回ほど頭に手を撫でるとリビングを出て行った。
カラになったお弁当をゴミ箱に捨てて、ソファーへと座る。
「あれ?こんなところにDVDたくさんある」
テレビ下の台、シルバーのラックにはたくさんのDVDが置かれている。
誰のだろう。
レイジの?
いや、それはないな。レイジが真剣にDVDを二時間も見ているところなんて想像できない。
じゃあリュウガ?
テレビさえみないのにありえない。