ブラックⅠ-出会い-



次第に私も噂をされるようになった。
それは仕方ないことでもあり、女の世界では良くある事だった。


どうやってあのレイジを落としたんだとか、本当はレイジは私に弱みを握られて付き合ってるだとか、


先輩からはすれ違うたび生意気なんて言われる事もあった。
しかも私が一人の時ばかりを狙って。



でも別に自分の噂なんて気にならなかった。レイジ達が分かってくれてるから、本当の私を理解してくれてるから。



それだけで理解者なんて十分だった。



友達がいないからって言ったら確かにそこまでだけど、人から恨まれたり悪口言われて平気な人なんていないけど、



それでも私は大丈夫だった。



自分の事なんていくら言われても大丈夫だだった。




だけど限界はいつかくる。人間だから、どう平気だと思っていても、それはフリだったんだと、私は今まで平気なフリをしていたんだと。



限界はすぐそこまで近づいていた。



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