ブラックⅠ-出会い-
それに気が付いたのは、昼休みが終わるほんの少し前。イツキと学食でご飯を食べて「飲み物買うから先教室いってて〜」と言ったイツキと別れて少しした時の事。
「対して可愛いくもないくせに生意気」
そこまでは良かった。いつも言われてる事だった。とくに気にしてなんていなかった。
でも、ここまでだった。
私が何も言わず黙っていられたのはここまでだった。
「でもしょせんレイジさんなんて裏じゃん」
何のことを言っているのか、そんなのわからない。
裏?裏ってなに?
なにが裏?
「ブラストの総長だろうが勝つのは本家のリョクさんじゃん、愛人の子なんて裏で十分」
ブチって何か切れる音が頭の遠くの方で聞こえた。
詳しい事なんて何にもわからない。
それでもレイジが侮辱されてるってことだけは誰が聞いても分かる事だった。