ブラックⅠ-出会い-



ピタリと止まった私の脚に気が付くことも無く、5人の女集団は話をやめない。


いや、むしろ私に聞こえるように話を続ける。



「意気がってるのも今のうちだよね、リョクさんが本気だしたらレイジさんの味方なんで一人もいなくなるし」



「ねぇ」


喉の奥から出た怒りに震える私の声、
それが聞こえないのか、それとも聞こえてないフリなのか。




「レイジさんに付いててもメリットないし」




「ねぇっ!!!」



大きな私の声が廊下に響く。
そこにいた5人だけじゃなく この廊下にいた人たち全員が、いやむしろ教室の中にまでいた人たちまでもが出てくるほど。



メリット?なんだそれ、ふざけんな。

味方が一人もいなくなる?そんなわけないでしょ。



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