ブラックⅠ-出会い-



「許さないから!私のレイジの事悪く言うなんて許さないから!!!」



何を間違えたかなんて分からなかった。きっとムカつきすぎて、初めから怒り方を間違えてたんだと思う。


何が楽しくてこんな大勢の前で堂々とレイジ大好き発言みたいなのしてるんだろうと、後になって気がついた。




「あんたなんなの!?」そう言って突き飛ばされた私。



まさかここで突き飛ばされるなんて思ってもなかったから、私の脚は見事によろけて後ろへと身体か倒れていく。



あ、私転ぶんだ。
確かそんな事を呑気に考えていたと思う。



「なぁアオイちゃん、そういう告白は二人きりの時にしろよ」



ニヤニヤした声、ふわりと後ろから包まれた身体、甘くて爽やかな香り。



「我慢できなくなっちまうだろ」




「がっ!我慢!?」




何の我慢だよ!とか思ったけど、後ろから抱きとめてくれた身体がピクピクと揺れてるのを見ると、これは完全に笑をこらえてるし悪意ありだ!!しかもアオイちゃんってその呼び方なんだよ!





「俺の事、そんなに好きか」




偽り彼女だと知らない全校生徒は、なんだこのバカップルの茶番はと思ってるに違いない。


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