ブラックⅠ-出会い-


レイジってツワモノだと思う。
というか、意外にマイペースなのかもしれない。


私の目の前では怒り狂ったように睨みつける女と、あまりに驚きすぎてポカーンと突っ立ってる女集団。




「でも、好きじゃたんねぇ」



「え?」



後ろから抱きとめていた私の身体をクルッと半回転させてレイジとバッチリ目が合う。


やっぱりその顔は何処か楽しげで、そして意地悪で、とても優しく私を見下ろしていた。




「どうせなら、愛してるって言えよ」




「…………」



「きゃー!!」だとか「やだー!!」なんて声が四方八方からしてくる。



目の前には私の両肩に手をだらーんとさせて、目線を合わせるようにかがんだレイジがニヤリと笑っている。




なんだよこれ。いや、まぁ確かに私が始めちゃった事だよ。怒るつもりがなんかよく分かんないレイジへの告白まがいみたいな事いったりしてさ。



でもこれはちょっとやりすぎなんじゃないかいレイジ君?



いや、てゆうかもはやもう私がしでかしたこの状況かなり楽しんじゃってるよねレイジ君!!??



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