ブラックⅠ-出会い-
「ちょっと!」後ろでは女集団達の声。
でももちろんレイジはそんな声に足を止めるわけもなく私の肩を抱きながらズンズンと廊下を進んでいく。
廊下に出来た人の波は、レイジと私の前に道を作りながらそれぞれ教室へと戻っていく。
私のあのマヌケな愛の告白みたいなのが聞かれたかと思うと恥ずかしくて仕方なかった。
でも今はそこじゃない、そこが問題なんじゃない
「ねぇレイジちょっと待って!」
人の波が無くなった渡り廊下、
そこで引き止める私をレイジが振り返る。
私が何を言いたいのか、レイジは分かってるのかもしれない。