ブラックⅠ-出会い-
「でもお前聞いたんだろ。俺が愛人の子供だって」
確かに聞いた。でもそんなのは関係ない
レイジが愛人の子だろうが、そうじゃなかろうが。
「しかもただの愛人の子なんかじゃねぇ、ヤクザの愛人の子だ」
本家だとかそうじゃないとか、あの女達が言ってたことを思い出す。
そんな気はしていた。
でもそれも私にとっては関係ない。
ヤクザの愛人の子だろうが、本家の子だろうが。
「あの人達…」
「あぁ」
「レイジをただの駒だって言った…」
こんな事レイジに言ってどうなるんだろう。余計傷付けるだけじゃないんだろうか。
でも私は止める事が出来なかった。
「レイジに付いててもメリットがないって言ってた…」
「あぁ」
ズルズルと私が鼻をすする音だけが辺りには響く