ブラックⅠ-出会い-
「それがすごくムカついた…」
はたから見たらこれは同情だと思われるんだろうか。
「レイジはレイジなのにって…」
「………」
「レイジの良さは私やブラストの皆が分かってればそれでいいって思った…でもあの女達にムカついてしょうがなかった…」
「…………」
「だってレイジはこんなにも優しいのに何でそんな事言われなきゃいけないの?って……」
苦しいのは私じゃない。言われたレイジなのに。
「でもね、一番ムカついたのは女達じゃないの、自分になの」
私の瞳から溢れる涙をレイジが器用にぬぐってくれる。
「あの女達の話に足を止めてしまった自分に」
「………」
「レイジから聞いた真実だけを受け止めようと決めてたのに、本人が話したことだけを聞こうと決めてたのに、
あの女達の話に足を止めてしまった自分に一番ムカついた…」