ブラックⅠ-出会い-


遠くの方で昼休みの終わりを告げる音が聞こえる。



「だから…俺のせいでなんて言わないで…」



あまりに子供みたいに私が泣くもんだから、レイジは私の身体を引き寄せると頭から包むようにして抱きしめた。



「お前って本当バカ正直」



「バカって…こんな時に言わなくてもいいじゃん…」




「確かにお前の言うとおりかもしんねェ」


それは多分、噂を言われて平気な人なんていないの答えだと思う。




「けど、俺のために涙を流してくれる奴がいるって分かったから」



レイジに私の気持ちの全部が伝わったかはわかんない。


けど、だけど



「誰になんと言われようが関係ねェ、それだけで十分だ」



さっきまで「俺のせい」と言ってたレイジが、今は「俺のため」と言ってくれる。



「ありがとな」



だからなのか、なんだか胸の奥がギュッとした。








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