ブラックⅠ-出会い-
「雨だ」
皆でご飯を食べて、レイジに車で送ってもらう車内でそう呟く運転手さん。
その声に窓の外へと顔を向けると、まさに今降り出した雨。
雨は嫌いだ。
大嫌いだ。
「俺は倉庫へ戻る」
車を下りた私へと車内のレイジが声をかけてくる。
「あ、うん」
私と一緒に家へ帰る日とそうじゃない日がある。
どうやら今日はそうじゃない日らしい。
倉庫に戻って夜中に帰ってくる日らしい。
その私の言葉を聞くと「出せ」レイジの乗る車はあっという間に闇へと消えていった。
雨は嫌いだ
一人になりたくない。