ブラックⅠ-出会い-
あの時を思い出す。
リュウガに初めて会ったあの日。
Blackと書かれたゴールドのキラキラとした看板。
私に触れる指先、
互いの熱い唇。
これ以上の事をあの時平然とやっていた私は本当にすごいと思う。
そしてどうかしていたんだとも思う。
「もう寝ろ」
そういって私の上から離れるリュウガは、やっぱりどこまでもカッコよかった。
「お前が寝るまでここにいる」
そしてふいに外を見つめる彼は、気がついているんだと思った。
私が雨の音が嫌いな事に。
雨が大嫌いな事に。
だからこんなアメリカンジョークみたいな事をしたのかもしれない。
リュウガには似合わないジョークを言ったのかもしれない。