ブラックⅠ-出会い-
生きることよりも死をありがたいと思う女。
そんな人間この世に何人いるのだろうか。
この女、面白れぇ。
俺は掴んでいた腕の力を抜くと、女の首から力を緩めた。
「………ゲホッ…ゲホッ」
俺が掴んでいた首は赤く痛々しい後が広がり、それは次第に紫へと色を染めて行く。
「生きたいと言え」
「……………」
「そしたら俺が、」
喉を詰まらせるように咳き込む女の前に俺はしゃがみ込むと、女の綺麗な黒髪を人束すくい耳へとかけた。
「助けてやる」